写真展

バラとクリスマスローズ(展示作品)

今回の私の展示作品2点はバラとクリスマスローズでした。

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早い時期からクリスマスローズにすることは決まっていたので、今年になってクリスマスローズが咲き始めた頃から公園、庭園へ行きたくさんの写真を撮りました。クリスマスローズは比較的咲いている期間が長いのですが、色も変化していきますし、なかなか私のイメージするものが撮れませんでした。控えめで可憐なイメージの花ですが、私が撮りたかったのはそのようなイメージのものではなく、もっと力強いもの、まだ春になる前の冷たい地面の中から出てきて、冬の名残りの冷たい空気の中で咲いているシーンを撮りたかったのです。そしてクリスマスローズは種類も豊富なので、イメージに合った種類を選ぶこともポイントでした。花としては八重のものが好きなのですが、展示作品として選んだのは上の画像です。wildなところがイメージに合いました。

もう1点は、ギャラリー916で開催されたWSの際に撮ったもの。WS 2日目の午前中に撮影しました。WS 1日目は撮影する時間が夕方になってしまったので、自然光で撮りたかったので、少し早めにギャラリーに行き撮影しました。このバラは、Le Vesuveより届いた大量の美しい花の一部です。他に珍しい花、他の色のバラもありましたが、私は迷うことなく、バラを選び、この少し微妙なトーンのバラを選びました。ジョーロはギャラリーの片隅にあったものをお借りしました。最初バラを椅子の上やテーブルの上に置いて撮っていたのですが、このギャラリーの床の古びたグレイの色が気に入ったこと、土から離された切り花を土ではない床に置くこと、切り花を美しく保つためには欠かせない水遣りのためのジョーロ。それらをスタインリグして、高橋郁代さんへのオマージュとして撮影しました。

正直言って、こちらのバラの作品よりクリスマスローズの作品のほうが私としては気に入っていました。それは、たぶん自然の中で咲く強さにより強く惹かれていたからだと思います。ところが、クリスマスローズよりバラの作品のほうが好きという方が多くて、当初戸惑いを感じました。でも、毎日ギャラリーで、このバラの作品を眺めているうちに、日々愛着が沸いてきました。

この2点は、Regard Intense by 16 photographersの公式facebookで太田さんが私たち16名の紹介をしてくださった時にアップされた画像と同じです。そのメッセージをこちらにも引用しておきます。

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「Regard Intense」のワークショップに参加する前から、毛利厚子さん(Ms. Atsuko MOHRI)は花、しかもクリスマスローズに魅せられて、カメラをむけていらっしゃいました。何故、クリスマスローズに心惹かれるのか?
彼女はその理由を言葉にしてくれましたが、私には本当の理由は他にあるように感じます。自分が真剣に撮りたいと思う被写体と正面から向き合う行為、実は非常に勇気をいることの場合があります。

You just have to live and life will give you pictures.
– Henri Cartier Bresson

あなたはただ生きなさい。人生はあなたに写真を与えてくれるはずだから。

毛利さんは今、彼女の日常を写し出す写真という鏡を通して、大切な何かと向き合うための準備をされていらっしゃるように私には感じられます。
切り花とは異なり、地面に根を張り、自らの力で生きるための水分や養分を摂る小さな庭に咲く花々たちに心を寄せる毛利さん、彼女にブレッソンの言葉を贈ります。

太田菜穂子
キュレーター

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バラとクリスマスローズはポートフォリオに8点ほどまとめました。

 

 

 


2016-07-29 | Posted in 写真展No Comments » 
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