レンヌ(Rennes)のバラ – 旅の記憶

今年も5月にバラのガーデンに行きました。5月は真夏のような陽射しの日もあれば梅雨のような雨、肌寒かった日もあり、お天気に翻弄される月でした。真夏のような日にバラを見ていたら、去年の夏のレンヌのタボル公園(Parc du Thabor)のバラを思い出しました。

レンヌは、ブルターニュ地方の入り口であり、パリのモンパルナス駅からTGVで1時間半ぐらいの、人口の4分の1が学生という大学都市だということです。また、モン・サン・ミッシェルへのバスが出ているので、行ったことのある方も多いことでしょう。

タボル公園は、とても広い公園で、フランス式庭園の奥にイングリッシュガーデンがあり、夏の暑さにも負けずバラが満開でした。

2019-06-02 | Posted in gallery, No Comments » 

 

ロクロナン(Locronan)の紫陽花 – 旅の記憶

毎日が飛ぶように過ぎていきます。何か特別なことをしているわけではないのに、1週間、1ヶ月、3ヶ月、半年と。先日、フランスへの旅を計画中の友人2名とランチをして、去年のフランスへの旅のことを話す機会がありました。ちょうど1年前の今頃は7月と8月の旅の準備をしている最中でした。このHPで旅の記憶を綴っていたのに途中でサボってしまったので、これを機会にまた少しずつ書き留めておこうと思います。

さて、今日から6月。東京の梅雨入りももうすぐでしょう。私は湿度が苦手なので梅雨は本当に苦手ですが、紫陽花の季節だと思うと多少気持ちも上向きになります。去年の夏の旅で、ブルターニュのロクロナンという村を尋ねました。雑誌で見たロクロナンはとても静かで中世から時が止ったような雰囲気でしたが、行ってみると、ちょうど骨董市が開催されていて、駐車場のほぼ満車、小さな村には人があふれ、大変な賑わいでした。

ガイドブックによると、この村の名前は、10世紀にこの地でキリスト教の布教を行ったアイルランドの聖人ロナンに由来するとのこと。「フランスで最も美しい村」にも登録されているそうです。

観光客の少ない冬に来ていたらまた違ったイメージを持ったことでしょう。その季節にも来てみたかったけれど、色の褪せた紫陽花を見ることが出来てとても幸せな時間を過ごしました。

2019-06-01 | Posted in gallery, No Comments » 

 

バスクへの旅 – 2 (スペインバスク)

サン・ジャン・ド・リュズに到着した翌日に、ホテルで紹介してもらったガイド兼運転手さんにスペインバスクのサンセバスチャンに連れて行ってもらいました。たぶん寄り道しないで行けば、30分ぐらいのドライブだと思いますが、途中山の上の方からの景色を見せてもらったり、何カ所か案内してもらったので、1時間半から2時間ぐらいのドライブでした。ジャン・ジャックさんというガイドさんは、英語もスペイン語も出来るとても感じの良い人でした。それに料金もとても良心的。レンタカーだと運転する人は飲めないので、お願いしてよかったです。

ここはもうスペイン。私はスペインについては、美術、お料理などに興味はありましたが、旅行するとは考えていなかったので、最初で最後のスペインかもしれません。当然のことながら、カフェのメニューもスペイン語。まわりで話している人もスペイン語。言葉のわからないところにいることに不安を感じながらも、かえってエトランジェ気分を楽しむことが出来ました。ここで迷子になったら大変。

どこに行っても目につくのは犬。

このムクムクとしたわんちゃんがいた街は、アメリカ独立革命の際に、ラファイエット侯爵が自費を投じて購入した船で旅立った地とのこと。

ようやく、かつて王族が夏を過ごしたという、今は星付きレストランを多く持つ世界有数のグルメシティ、サン・セバスチャンに着きました。コンチャビーチは大賑わいでした。

続きます。

2018-10-20 | Posted in gallery, No Comments » 

 

バスクへの旅 – 1(バスク料理)

今日はとても涼しくて、ようやく秋らしい服装が出来る気候となりました。更新が滞ってしまい、夏の旅のお話が終わる前に冬になってしまいそうなので、少し急いで纏めておこうと思います。

堀井和子さんの「小さな家とスイスの朝食」、長野智子さんの「わたしとバスク」という本を読んで以来、バスク地方にいつか行けたらいいなと漠然と思っていました。バスク地方 Pays Basqueはピレネー山脈西部、フランスとスペイン両国にまたがる地域で、他の地方とまったく異なる独特の文化を守り続けている地方だとのこと。地名の表示もフランス語とバスク語が併記されています。今回の旅で、ボルドーまで行ったので、ボルドーからTGVでフレンチバスクの海辺のリゾート地、サン・ジャン・ド・リュズに泊まり、スペインバスクのサンセバスチャンに日帰りで行くというスケジュールにしました。

バスクには美味しい物がたくさんあるので、観光というより食の旅となりました。まずは、1932年から4代にわたって、バスクの伝統料理を守り続けているという老舗のレストラン、シェ・パブロ Chez Pabloへ。

塩鱈のコロッケは熱々のさくさく。どうってことない料理なのだけど、旅の間には、こういう家庭料理が身体にも心にも優しくて、ほっとします。

バスクの名物料理、ピペラード。そう辛くないトウガラシが入っていて、生ハムが添えられています。生ハムなのにあえてさっと焼いてあります。

デザートはガトー・バスク。アーモンド入りの生地の中にカスタードクリームを入れて焼いたお菓子。

もし、バスク地方にいらっしゃることがあれば、是非シェ・パブロへ。

2018-10-19 | Posted in gallery, No Comments » 

 

ランスの大聖堂とジャンヌダルク

パリからTGVで約50分、ランスはパリから日帰りでも行ける街です。シャンパンセラーもいくつかあり、とても美しい街でした。

フランス王はかつてランスで戴冠式を行わなければ正式な国王とみなされなかったということで、100年戦争の時代、ジャンヌダルクは神からの啓示を受け、王太子シャルルをこの大聖堂に導いて戴冠式をあげることに貢献し、王太子はシャルル7世として正式なフランス国王に就くことが出来ました。それなのに、ジャンヌダルクはその後、イングランドに引き渡され、19歳でルーアンで火刑に処されてしまいます(処刑された場所にはジャンヌダルクの教会があります)。

百年戦争終結後、ジャンヌダルクの復権裁判が行われ、無罪と認められ、聖人の一人となりました。数々の小説、音楽、戯曲、映画、ドラマに取り上げられ、ジャンヌダルクの像もあちらこちらにありますが(大聖堂の中にもあります)、私はこの大聖堂の前のジャンヌダルク像がとても好きです。正面からも撮りましたが、あえて後ろからの写真を選びました。

この大聖堂にはシャガールのステンドグラスが配置されています。

ランスの街は、第一次大戦中に空襲や砲撃を受け、大聖堂もかなりダメージを受け、修復が続けられ1938年に一般に開放されたそうです。現在も一部修復作業中でした。

 

2018-09-27 | Posted in gallery, No Comments » 

 

エペルネー街歩き – 旅の記憶

エペルネーはとても静かできれいな街で、お天気も良かったので街歩きを楽しむことが出来ました。

 

 

 

ランチしたレストランの向かい側のお花屋さんのペパーミントグリーンの壁、窓枠が素敵でした。お店の名前、Eglantineというのは辞書で調べたら日本語で野バラのことでした。よく見ると壁に野バラの絵が描いてありますね。

エペルネーには、ウィンストン チャーチルの愛したシャンパンメーカー、ポル・ロジェもありました。

 

 

 

2018-09-26 | Posted in gallery, No Comments » 

 

エペルネーへ – 旅の記憶

前回の鴨のお料理とシャンパンのお話の関連で、エペルネーのことを少し。エペルネーはランスから電車で30分ぐらいのところにある有名なシャンパンメーカーの本拠地で、とても美しい街でした。

エペルネーにはこのようなかわいい電車で行きます。車窓からの眺めものどかで、途中下車して歩いてみたくなります。

駅前の大聖堂を横に見て、シャンパーニュ大通りを少し歩くと、モエ・エ・シャンドンをはじめとする有名なシャンパンメーカーが並んでいます。私たちはモエ・エ・シャンドンの見学とテイスティングを事前に申し込んでいました。

テイスティングのお話はまた別途。とてもきれいな街なので、高いところから全体を見たいと思い、うろうろ歩いていたら、気球に乗れることがわかりました。

エペルネーはとても素敵な街でした。続きます。

2018-09-24 | Posted in gallery, No Comments » 

 

コンフィドカナールとマグレドカナール

9月2回目の3連休前に、美味しい物のお話です。我が家で鴨を食べる時は、鴨南蛮そばか鴨とクレソンの鍋、鴨と鶏の合挽き肉団子鍋のどれかになりますが、7月の旅で、フランス料理の定番ともいえる鴨のお料理を3回も食べてしまいました。

1回目、ボルドー滞在中にワインシャトー巡りで立ち寄った、サンテミリオン村(世界遺産)でのランチは、行き当たりばったりで選んだお店でしたが、コンフィドカナールとマグレドカナールを選びました。

2回目は、ガイドさんにおしえてもらったボルドー市内の老舗レストランでコンフィドカナール。

そして、3回目、パリでコンフィドカナールとマグレドカナール。

こちらは、パリ最古のパサージュ、パサージュ デ パノラマ(Passage des Panoramas)にある、カナール&シャンパーニュ(Canard & Champagne)というお店です。鴨とシャンパンを組み合わせたレストランで、カジュアルな雰囲気がとても心地よいお店です。

この日は、パサージュ巡りをしてたくさん歩きました。パリのパサージュについては、鹿島茂先生の、「パリのパサージュ – 過ぎ去った夢の痕跡」という本に詳しく書かれています。この本はずいぶん前から家にあったのですが、全部を読んでいなくて、行きの飛行機の中でようやく読みました。

パサージュのお話はまたいつか。

2018-09-21 | Posted in gallery, No Comments » 

 

フジタ礼拝堂 – 旅の記憶

NHK日曜美術館の「知られざる藤田嗣治~天才画家の遺言」を見ました。今年は藤田嗣治が亡くなって50年目の年だそうです。現在東京都美術館で、「没後50年 藤田嗣治展が開催中なので、行ってみたいと思っています。

日曜美術館でも取り上げられていましたが、フジタは戦争中に戦争画を描いたことによって、戦後画壇から非難されたことにより、日本を去りフランス国籍を取得し、2度と日本に戻ることはなく、フランスで死去されました。1959年にランスのノートルダム大聖堂でカトリックの洗礼を受け、レオナールの名前を付けてもらい、その後はレオナール・フジタとなり、シャンパンで有名なG.H.Mumm(マム)社の資金援助を受けて、マム社の敷地内にフジタ礼拝堂が建てられ、現在は夫人とともにこの礼拝堂で静かに眠っています。

この礼拝堂に行ってみたかったこともランスに行った理由のひとつです。

マムの見学はしなかったので、写真だけ。

フジタ礼拝堂は、礼拝堂内の撮影は禁止されています。内部のフレスコ画はフジタによるもので、フレスコ画の中に、フジタ自身と君代夫人も描かれています。

フジタの戦争画は竹橋の美術館で観たことがあります。フジタがこのような絵を描いていたことに衝撃を受けた記憶があります。

フジタの絵は、いろいろな美術館で観たことがありますが、ずいぶん昔に、京都の日仏会館内にあったレストランの壁に大きなフジタの絵が展示されていました。この絵を見るためにレストランに行ったことを思い出しました。もう本当に大昔のお話です。

ランスの街、大聖堂、シャンパンのお話はまた別途。

 

 

2018-09-17 | Posted in gallery, No Comments » 

 

ヴィヴァルディの四季 – 旅の記憶

サンジャンドリュズ(バスク地方)滞在中に、パリで泊まる予定のホテルからメールが届きました。サントシャペルでのコンサートのチケットやミュージアムパスの手配をしましょうか?という申し出でした。サントシャペルでのコンサートは、モーツァルトかヴィヴァルディの四季の演奏ということでしたので、ヴィヴァルディの四季の日にお願いしますと返信しました。

サントシャペルでのコンサートは10数年前にも行ったことがあります。前回は11月でしたのでもう外は真っ暗でしたが、今回は日没前の演奏でしたので、ステンドグラスに西日が当たり、美しいステンドグラスがよりいっそう美しく見え、大好きな四季を聴きながらステンドグラスを眺めることが出来て、「美」を視覚と聴覚の両方から感じる幸福感で心が震えるとはこういうことなのかと感じました。

そして、なんとベニスでも四季を聴くことが出来たのでした。リド島(ヴィスコンティのベニスに死すのロケが行われた島)へ日帰りで出かけた帰り、ホテル最寄りのヴァポレット(海上バス)の船着場の一つ手前で降りスキアヴォーニ河岸を散歩していたら、ヴィヴァルディの四季のコンサートのポスターが貼ってある教会が見えました。主人が中に入って聞いてみると、今晩四季のコンサートが行われるとのこと。早速チケットを購入して一端ホテルに戻りました。正面の入り口が修復中だったので気がつかなかったのですが、この教会はピエタ教会で、ヴィヴァルディが聖歌隊の指導をしていた教会でした。

ヴィヴァルディ所縁の教会で四季の演奏を聴くことが出来て、なんて幸せな時間であったのでしょう。演奏はもちろん素晴らしく、何度かのアンコールの最後は、四季の「夏」の第三楽章でした。

7月、8月の旅の最後はベニスでしたので、まさに「夏の旅の終わり」に相応しい曲でした。これから四季を聴くたびに、この夏の旅の記憶が蘇るに違いありません。時には、美しいステンドグラスとともに、また時には、雷が聞こえた夏のベニスの夕暮れとともに。

ピエタ教会での写真は撮っていないので、かわりに、雷の聞こえたスキアヴォーニ河岸からの風景を貼っておきます。

2018-09-17 | Posted in gallery, No Comments »