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ヴィヴァルディの四季 – 旅の記憶

サンジャンドリュズ(バスク地方)滞在中に、パリで泊まる予定のホテルからメールが届きました。サントシャペルでのコンサートのチケットやミュージアムパスの手配をしましょうか?という申し出でした。サントシャペルでのコンサートは、モーツァルトかヴィヴァルディの四季の演奏ということでしたので、ヴィヴァルディの四季の日にお願いしますと返信しました。

サントシャペルでのコンサートは10数年前にも行ったことがあります。前回は11月でしたのでもう外は真っ暗でしたが、今回は日没前の演奏でしたので、ステンドグラスに西日が当たり、美しいステンドグラスがよりいっそう美しく見え、大好きな四季を聴きながらステンドグラスを眺めることが出来て、「美」を視覚と聴覚の両方から感じる幸福感で心が震えるとはこういうことなのかと感じました。

そして、なんとベニスでも四季を聴くことが出来たのでした。リド島(ヴィスコンティのベニスに死すのロケが行われた島)へ日帰りで出かけた帰り、ホテル最寄りのヴァポレット(海上バス)の船着場の一つ手前で降りスキアヴォーニ河岸を散歩していたら、ヴィヴァルディの四季のコンサートのポスターが貼ってある教会が見えました。主人が中に入って聞いてみると、今晩四季のコンサートが行われるとのこと。早速チケットを購入して一端ホテルに戻りました。正面の入り口が修復中だったので気がつかなかったのですが、この教会はピエタ教会で、ヴィヴァルディが聖歌隊の指導をしていた教会でした。

ヴィヴァルディ所縁の教会で四季の演奏を聴くことが出来て、なんて幸せな時間であったのでしょう。演奏はもちろん素晴らしく、何度かのアンコールの最後は、四季の「夏」の第三楽章でした。

7月、8月の旅の最後はベニスでしたので、まさに「夏の旅の終わり」に相応しい曲でした。これから四季を聴くたびに、この夏の旅の記憶が蘇るに違いありません。時には、美しいステンドグラスとともに、また時には、雷が聞こえた夏のベニスの夕暮れとともに。

ピエタ教会での写真は撮っていないので、かわりに、雷の聞こえたスキアヴォーニ河岸からの風景を貼っておきます。


2018-09-17 | Posted in gallery, No Comments » 
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